『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』を読みました

クラウド化する世界』を書かれたニコラス・G・カーさんの『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』を読み終えました。

5年程前に書かれた本なのですが、ITはもうライバル会社に対する継続的な競争優位性を実現する戦略的な資源ではなく、どの会社でも同じことが実現できるコモディティ化してしまったインフラなので、今後はITに対して湯水のように予算を掛けるのは止めましょうと言うソフトウェアベンダーに在籍する人間にとっては非常に印象深い内容となっています。(@o@;

ITにお金を使うのは、もうおやめなさい ハーバード・ビジネススクール・プレス (Harvard business school press)

ITにお金を使うのは、もうおやめなさい ハーバード・ビジネススクール・プレス (Harvard business school press)

タイトルにひかれたので興味を持ったのですが、読み終えてみて、結局、何が言いたかったのかちょっと消化不良な感じもしました。

まとめると、もうITは業績を圧倒的に改善する戦略資源としてではなくコモディティ化してしまったインフラとして今後も長く利用することを考慮しながら、現在の自社の位置づけ、投資と成果、リスクなどのバランスを取りながら上手く利用する必要が有ると言う感じでしょうか。

ちなみに、あの梅田望夫さんの古いBlogでも取り上げられたりしてますね。

消化不良といっても、現在のITベンダーに冷水を浴びせるような内容に少しワクワクしながらアッと言う間に読み終えてしまいました・・・。(^-^;



(2009/2/16追記)
日経コンピュータの2009/2/15号での豊田通商の清水社長のインタビューの内容が印象的でした。

清水社長は、今ではITがないと仕事ができない状況になってしまったのだから投資対効果の『見える化』には意味がなく、水や電気と同じように有って当たり前のインフラとして世間のペースに遅れないように活用する必要が有ると言われています。

また、この『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』の内容と同じように、本当に必要なところにIT投資を継続しシステムを進化させるが、最先端を追うのではなく2番手を維持することが大切との意見をお持ちのようでした。

この清水社長の意見などを参考に具体的な利用方法を見据えて今後のITの姿を考えると私の消化不良も少しは解消するのかなと思ってしまいました。(何か偉そうな意見ですいません・・・)